Amwayはやばい?ネットワークビジネスを宗教心理学の観点から考えてみた

技術系

みなさんこんにちは!

夢の中でも研究していました、限界大学院生です。朝起きて成果がゼロでびっくりしています。

突然ですが、Amway(アムウェイ)というものをご存じでしょうか?

私もつい先日、社会人の友達が周りの人を勧誘しているという噂を聞いてその存在を知りました。

ネットワークビジネスと名付けられたAmwayのシステムは多くの人を虜にしているといいます。

自分が勧誘した人がさらに勧誘した場合、自分にもお金が入るというその形は「権利収入」という言葉に姿を変えて皆の幻想のような目標になっていました。

その友達はマッチングアプリで知り合った人や彼の身の回りの人を勧誘しまくった結果、リアルの友達が離れていっているといいます。

正直私はその魅力を全く理解できないどころか、なにそれ?宗教やん?という感想を持ちました。

そこで今回は、Amwayに属する方々から聞いた話とカルト教団として有名なオウム真理教の元信者の方々のアンケートを比較してネットワークビジネスの現状について考えてみます。

はたしてAmwaはやばいのか?ネットワークビジネスは宗教なのでしょうか?

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Amwayのネットワークビジネスとは?

ネットワークビジネスでは、口コミによってピラミッドを形成して稼ぐ方法の方がよく知られています。

例えば、知り合いを紹介して入会させることで紹介料を得たり、自分の所属するピラミッド内での売上高に応じて還元報酬をもらったりするのが主なやり方です。

https://www.busoken.com/
ざっと聞いたネットワークビジネスの仕組み

AさんがBさんを勧誘したあとBさんがCさんを勧誘した場合、そのグループの頂点にいるAさんにも紹介料が入るといいます。

こんな説明なんかみなさんは数千万回聞いたと思うので多くは話さないでおきます。

これは権利収入という名前で説明されます。

権利収入を持っていれば働くことなく毎月お金が入ってくる仕組みが作れると私の友達は目を課がわかせながら説明をしていました。

大学時代の友達(ABO)から聞いたAmwayの現状

Amwayで商品を販売する人たちのことをABO(アムウェイビジネスオーナー)というらしいです。

私の友達(Aさんとします)は社会人1年目にAmway沼にはまり始めました。

実際のAさんを載せるのもなと思ったので、それっぽいフリー画像をご覧ください

Aさんが所属しているグループは20人ほどで構成され、そのほとんどが会社員として働くかたわら商品販売やABOの勧誘をしているといいます。

ABOとしての活動は週7。

主にマッチングアプリを利用して人脈を作ったうえで勧誘、スポーツイベントを企画したうえで勧誘、さらには知識を深めるための勉強会といった多方面からの活動があるといいます。

本業の会社員業務は週5であるため、彼の勤務日数は週12ということです。

やばいです。ブラック社会人ベストオブザイヤーを受賞する勢いです。

さらにAさんはリアルな友達を何人もネットワークビジネスの世界に勧誘したため、次第にもともといた友達が何人も離れていったといいます。

これまでの自分の友達を犠牲にしてまで行いたいビジネス、所属したい団体とは何なのでしょうか。

しかし、ほかのABOの人たちとのつながりは強いらしく、お互い切磋琢磨できる人たちに出会えたとも言います。

Aさんと仲のいいABOであるBさんからもお話を伺いました。

「マッチングアプリのアカウントなんかは何回バンされたかわからない。」とBさんは楽しそうに話していました。

私は仕事とは世の中の誰かのためを思ってするものだと思っているため、彼らのネットワークビジネスのモチベーションが分かりませんでした。

尋ねてみると、権利収入を得て30歳には仕事を辞めて遊んで暮らしたいというのが若いABOの目標として多いといいます。

実際、彼らが所属するグループの頂点にいる人たちはネットワークビジネスでそれなりの収入を得ているので日々サーフィン三昧らしいです。

身近でそのような生活を見せつけられたら目標にしたくなる気持ちもわかります。

目の前に仕事を早期退職できる仕組みがあるため、それを利用しない手はない、なんならみんなに広めてあげたいと心から訴えていました。

現代は資本主義の世の中であり、お金を生み出す仕組み(資本)を持つことが大切ということは理解しています。

しかし、Amwayという不安定なシステムの上に成り立つ権利収入がはたして株や事業などと並ぶ資本としてカウントしていいものなのかは疑問が残ります。

また、AさんやBさんが所属するグループで成果を上げたら、グループのリーダーから食事会や海外旅行に招待してもらえるという話もありました。

なにやらしっかりとした仕組みがありそうですね。

そんなAさんのお宅にお邪魔した際には、彼の家中に数十万円はするAmwayの商品がたくさん点在していました。

空気清浄器、鍋セット、水蒸気、サプリメント。

社会人1年目には大きすぎる出費です。

節約第一だった学生時代のおまえはどこに行っちまったんだ!!!

カルト教団の犯罪行動についての社会心理学的分析

カルト教団の犯罪行動についての社会心理学的分析

カルト教団に関しての心理学的な見解はこちらの論文を参考にしました。

カルト教団の犯罪行為や多額の寄付金を説明するうえで「マインドコントロール」に触れないといけません。

操作者からの影響や強制を気づかれないうちに、他者の精神過程や行動、精神状態を操作して、操作者の都合に合わせた特定の意思決定・行動へと誘導すること・技術・概念である

Wikipedia contributors. “マインドコントロール.” Wikipedia. Wikipedia, 23 Sep. 2022. Web. 23 Sep. 2022.

マインドコントロールの問題の本質は、普通に生活している人が「善意」と信じてあからさまに社会に反した行動をとることにあります。

この心理学的技術は個人ある環境に誘導することで、その人の意思決定を団体の意図する方向へ持っていくことが目的です。

マインドコントロールされた人はまずその団体のリーダーが与える信念に強く同調して、その信念に基づいた活動が唯一の正しいものだと錯覚します。

その集団かそれ以外かの二択で物事を判断するため、それ以外の意見を言うひとすべてに対して敵意を持ったりします。

ローランドみたいなセリフが出ましたね。

また彼らは行動の一つ一つを集団のルールに合わせて行うため、その集団を脱退させられることへの恐怖も抱いたりします。

このようなマインドコントロールはいわゆる教祖のようなカリスマ的な存在があってこそ成り立つともいわれています。

今回参考にした研究ではマインドコントロールをするための心理操作を7種類に分類していました。

それぞれの心理操作について、カルト教団での具体的な行動や心理状態と共に紹介します。

  1. 条件づけ行動
    • 侮辱などの精神的罰を受けた
    • 恋人や配偶者と別れた
    • 過去の罪を告白させられた
    • 教祖による地位の昇進や賞与が励みになった
  2. 外的回避行動
    • 脱退すると考えただけで恐怖であると考えた
    • 外部の人は事実を知らないで興味本位で批判していると考えた
    • 自分たちは特別の存在であると信じ、優越感や誇りがあった
  3. 自由拘束
    • 教団外部の人と自由に接触できない
    • 毎日のスケジュールを管理されていた
    • 肉体的疲労がずっと続いた
    • なすべき課題の連続でずっと緊張状態が続いた
  4. 満足
    • 修行を中心とした生活が楽しいと感じた
    • 仲間との生活は楽しいものだった
  5. 忍従行動
    • 精神的に苦痛な経験を懸命に耐えた
    • 異性への欲求や感情を抑えなければならなかった
  6. 規則尊守
    • 教団の本や雑誌を一生懸命に読んだ
    • 教団の生活で、自分の理解を超えた神秘的な生活をした
  7. コミットメント行動
    • 教団に入るため、仕事や学校をやめた
    • 多くの財産を教団に寄付した

一言でいうと、外部とのかかわりを絶たせて独自のルールで縛るといったところでしょうか。

カルト教団のイメージの一部

カルト教団のニュースを見ていると、変なダンスや習慣が多いように感じます。

それは「認知的不協和」というものを利用しているためだと私は考えます。

「だいの大人がこんなに変なダンスやルールをまじめにやっている。ということは私はそれだけこの教団のことが好きなんだ!」

というように、あえて変わったことをさせることで教団により依存する心理状態にするスパイラルを生むことができます。

上のリストでいうと1,7のように罪を告白したり多額の寄付をすることが認知的不協和を生み出しているといえるでしょう。

宗教としてみるネットワークビジネス

上記のことをふまえて、AさんやBさんから聞いたAmwayの現状を上のリストに当てはめてみます。

  1. 条件づけ行動
    • 度重なる勧誘で、昔からの友達を失う
    • セミナーなどでは自分の夢を語る
    • 多く稼いでいる人の生活を見せつけられる
    • 成績によってはグループリーダーによる食事会や海外旅行
    • 成績によってAmwayのランクが決まる
  2. 外的回避行動
    • 外部の人はネットワークビジネスの本質を知らないで批判していると考えている
    • 自分たちは普通のサラリーマンとは違い早期退職できると信じ、優越感や誇りがあった
  3. 自由拘束
    • 週7日Amwayの業務をスケジュールに入れる
    • 本業もあるため肉体的疲労がずっと続く
    • ノルマこそないが、権利収入のための勧誘目標に向かい努力する
  4. 満足
    • 同じグループの仲間との活動が楽しい
  5. 忍従行動
    • Amwayをしていない周りの人とは業務量がけた違いに多いため、しんどい思いをしながら頑張っている
  6. 規則尊守
    • 勧誘の仕事だけでなく、毎週多くの勉強会に参加している
  7. コミットメント行動
    • 社会人1年目の少ない給料をAmway商品の購入にあてている

まとめてみるとこのような結果になりました。

宗教団体の心理的状態と似ている部分が多いのではないでしょうか。

意図的にこのような状況が作られたわけではなかったかもしれないため、一概にどうであるとは言えません。

しかし、権利収入という目標のために寝る間も惜しんで週12勤務ですから、なぜこんなに働いているんだ!という認知的不協和に陥りやすいと言えます。

スケジュールがハードなうえ、同じABOグループ内の人としか関わらなくなるため徐々に「グループリーダーが絶対」「権利収入万歳」という心理状態に陥りやすいのでしょう。

おわりに

Amwayの記事・おわりに

いかがだったでしょうか。

Aさんの行動があまりに目に余るものであったため、今回はどのようにして人がネットワークビジネスにはまってしまうのかを考えてみました。

人が宗教にはまってしまう心理状態をリスト化して比較することによってなんとなくはまる理由がわかった気がします。

今回の記事では、権利収入が幻想なのかのような話題には触れませんでしたが、人間関係を失ってまでも取り組む内容なのかは一度考えたいものです。

今一度、働く意味を考えながら日々過ごせる社会人になりたいと思いました。

それではまたお会いしましょう。

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