【地図のない場所で眠りたい】旅ライターとして大切にするべきことは何なのか?

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以前QuizKnockの伊沢拓司さんが高校生におすすめの一冊として
高野秀行・角幡唯介『地図のない場所で眠りたい』
を挙げていたことがあります。

伊沢さんは、プロフェッショナルの考え方を学べる本であると高校生に向けて紹介していたのですが、実際に読んでみると旅ライターを目指す私にも刺さるポイントが多くありました。

著者二人はどちらも早稲田大学探検部出身のノンフィクション作家という共通点があり、この本では彼らの仕事に関する情熱や探検のプロフェッショナルとしての考え方が対話の中で垣間見えます。

今回は『地図のない場所で眠りたい』の内容から、
旅ライターとして大切にするべきことは何か?
を考えていきたいと思います。

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著者について

高野秀行(たかのひでゆき)

1966年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。同大探検部在籍時に執筆した『幻獣ムベンベを追え』(集英社文庫)でデビュー。「謎の独立国家ソマリランド」で講談社ノンフィクション賞受賞。

大学時代にノンフィクションの作品を書いてデビューしているのは本当にすごいです。

そのまま就職活動をせずにノンフィクション作家の道に進みました。

現地で取材をして独自の視点から文章にするというスタイルをとっています。

角幡唯介(かくはたゆうすけ)

1976年、北海道生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、朝日新聞社に入社。同社退社後に執筆した『空白の五マイル』(集英社文庫)で開高健ノンフィクション賞、大宅壮一ノンフィクション賞、梅棹忠夫・山と探検文学賞受賞。

高野さんとは早稲田大学探検部で後輩という関係性でした。

大学を卒業した後は朝日新聞社で働くも自分の書きたい文章が他にあることに気づいたためノンフィクション作家に転向します。

大自然の中探検・取材をし、自身が感じたことを書くというスタイルです。

なぜノンフィクション作家になったのか?

高野 いや。当時、『アフリカ』というアフリカ専門の雑誌があってね、その書評欄に「所詮学生の探検ごっこに過ぎない」と書かれたことがあるんだよ。これがけっこうこたえたんだよね。言い返せなかったわけ。それまで行けなかったところに行ったのは確かだけど、なにをしたのかと言われると、大したことはやっていないというのがわかったから。それがすごく悔しくて、見返してやりたいと思ったんだよ。

高野 文章を書くということは充足してないというのがあるからじゃない。海外でどこに行ってもバリバリやれるという人間は、そこでストレスなく楽しくやれて充実するんで、書く必要がないんだよね。それはもう文才とは別のモチベーションの問題になってくると思うんだけど、そこが大きいんじゃないかと思うんだよ。

旅をしてもそれを面白い文章にして伝えることがモチベーションになっていると二人とも語っています。

確かに、楽しいと感じながらブログを書いている人は記事にも良さが出るし、ずっと続けられているイメージがあります。

ノンフィクション作品の書き方とは?

角幡 取材や下調べが充分かどうかはともかく、気をつけていることはいくつかあるんです。たとえば、とにかく最初は静かに入ること。いちばん盛り上がる場面を冒頭にもっていくのってノンフィクションだと常套だと思うけど、なるべくそれはやらない。雪崩のイメージというんですかね、盛り上げるときにワーッと巻き込むような感じにして、最後はまたサーッと引いていくように全体的な強弱をつけるということは、いつも考えています。

角幡 もしかしたらふと本を手に取る人がいるかもしれないわけで、そういう人をつかみ取るだけの話にしたいという気持ちは強いです。だから、読み物としてはとにかくおもしろくしたいと思って書いていますね。

でもそこで、素材を変形させたらダメだとも思っているんです。素材の持っている本質的な部分を変形させちゃうような書き方はまずい。

ノンフィクションの文章はやはりまずは事実先行で、実際に起こっていることを正しく伝えることが大切です。その上で面白さを追求していくことが必要だといえるでしょう。

2人にとってノンフィクションとは?

高野 まあ、確かに角幡が言うように、ノンフィクションというのは事実の積み上げで、ポーカーでいえば、与えられたカードをいかに組み合わせて勝つかという勝負だからね。それがいくらでもエース取っていいってことになると困っちゃうよね。現実というのはものすごく多様でいつも自分の想像を超えるんだけど、自分で考えて小説を書くとなると、自分の中にあるものしか出ない。話を作って、それが現実を超えていくというのはものすごく大変なことだよね。

高野 俺がジャーナリズムという方向に行かないのは、主義主張とか議論で話を見せたくないからなんだよね。そこでどうしても失われてしまうものがある。ニュアンスというものが自分の中ではすごく大事で、人によってはこう受け止めるし、別の人ならばこう思うというようなところが重要なんだよ。

その文章の意味や主義、主張という枠組みの外で実際に起きたことを面白く届ける。そんなところに魅力を感じていると述べていました。

ノンフィクションは、実際に起きたことをそこにいた人たちがどう感じたのかを文章にするものです。それが事実を100%述べたのはジャーナリズムだし、自分の世界を100%出したのは小説になります。

その融合、どのくらいの塩梅で文章に起こすかのバランスが大切なのでしょう。

【感想】旅ライターとして大切にするべきことは何か?

やはり一つはなるべく面白い文章を書くということでしょう。

自分の文章に自信があってそれを届けたいというのがライターとしての本来あるべき姿です。

ブログをやっているとどうしてもどうやって稼ぐかに行きがちなのですが、いつまでもいい文章を書くという根本を忘れずに行きたいと思います。

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